占いとヒーラーと前世

私の周りには占いをしている人が結構いる。

独身・彼氏なしの女性の割合が多い傾向にあるのはまず間違いない。

占いとは一体何なのであろうか。同じ生年月日の人は同じ時期に生涯をともにするような出会いがあったり、転職したい気持ちになったりするものなのだろうか。

にわかに信じがたい話であるが、よく当たっていることも多いというのだ。

確かに基本的性格の項目をみるとなかなか当たっている。

あまり当てにせずワーキャー言うのを目的に見るには占いはおもしろい。

そういう私も10年ほど前に「算命学」たるものを一時的に習っていた。

全く言うことを聞かず、やってる意味がなくなったので辞めてしまった。後悔はない。

ただ先生から「おまえは天才かバカのどちらかだ。普通じゃない」と言われた事だけは良く覚えているが、この情報は今に至るまで何の役にも立っていない。

 

そして、今年特に占いをしてもらいたかった訳ではないが、「オーラアート」という、その人の周りに見えるオーラや天使や妖精などを書いている方がおられ、その絵がとても可愛らしかったので是非描いてもらいたい!ということで足を運んだ。

その方は「見えるものを描くので、もしかすると想像とは全く別のものになるかもしれない」と説明され、ヒーリングも受けた方が絵の内容も分かるだろうということでヒーリングも一緒に受けることにした。

そのヒーリングで、大天使ミカエルが私に前世を伝えたがっているというのだ。

なるほど。大天使が伝えたがっているのならば、それは私の人生に嘸かし必要な情報なのであろう。さあ話すがいい。看護師を辞めることを決意し、スピリチュアル・心理学について少しずつ学び始めていた私はワクワクしてその話を待った。

「前世は海賊で大量虐殺しているみたいです。最後の方は快楽になってたみたいですね。最終的には殺されて足から吊されているところが見えます」

・・・・それを知って私にどうしろというのだ。

代わりに刑務所に行くわけにもいかぬまい。

「だから人のために生きて下さいということかもしれませんね」と言われたが、そもそも人のためにならない仕事などあるのか。アドバイスの範囲が広すぎる。

確かに私は看護師であり、人のために働いているイメージだが、大量虐殺をしているのであればそこらの看護師じゃ採算が合わない。国境なき医師団で活動するくらいは必要だろうが医療に興味がないと気づいた今、私にそれば無理な話である。

結局、オーラアートはその話を聞いた後に描いてもらい、モザイクが必要なのではないかと内心ヒヤヒヤしたが、大量虐殺とは関係ないとても素敵な絵を描いてもらい大満足であった。

大体、前世とは何のために教えられるのだろう。前世を覚えていると今世の人生を生きるのに邪魔だから忘れて生まれてくるのだと「魂の法則」という本には書いてある。

私は今までにも、武士やら孤児やら巫女やら何やら色んな前世を教えてもらった。

教えてくれる人は私が喜ぶであろうと思い良心で教えてくれるのだが、いつも「へーそうなんだ」という感想で終わる。

友達なんかは教えてもらって喜んでたりする。近しい人と前世で親子だったとか、恋人だったりとかの縁を聞くと余計に親近感がわいてきてとても楽しそうである。

私にもその楽しみをわけて欲しいが、人それぞれ感性は違うのだから仕方ないことだ。

私は、結局あの大量虐殺の情報は何に活かせばよいのか分からずじまいだなと考えながら家に帰り、またもや「魂の法則」を読んでいた。

そうしたらこんなことが書かれているではないか。

「宇宙的な因果の法則があり、魂は与えたものと同じものを受けとる」

「償いは魂が自己の言動を自覚し、自発的に損害を決意するまで延期されるが、進歩するには遅かれ早かれそれに立ち向かい罪業を償わなければなならい」

・・・・・これは何ということだ。

もしや、私の魂は私の断りもなく勝手に「今世で償います」と決めて生まれてきたのではないのか。でなければこんなこと知る機会がある必要ないだろうし、私の心に引っかかるはずもない。何せすべての偶然や私の引っかかりには意味がある。

しかし、この海賊は殺されて死んだのだからもう償っているのではないか。

いや、それなら余計に私にこんな前世教える意味はなかろう。

しかも同じ方法で償うということは・・・

私は今年から「自分らしく生きる」という人生のテーマを掲げ、生き方の探求をしはじめたばかりでとても希望に満ちていたのでとても悲しい気持ちになった。

人が楽しんでいる最中にそんなこと知らせなくてもいいではないか。

私はひとときの悲しさを味わったあと、まぁどうでもいいかと立ち直った。

人生に良い悪いはない。どんな状況も楽しまなければ損である。

もしそんな未来が待っているのなら、その時に「罪は償いました」とでも書き残し、皆を混乱させ最後まで人生を楽しんでやろう。

 

 最後に占いの話に戻るが、私は今年に入ってとても好印象な男性に知り合った。その後彼が私にスピリチュアルを教えることになる。そんなある日、本屋をうろついていた際にある有名な占術家の本が目にとまった。よく友達が見ていたなと手に取って開いてみて恋愛運を調べてみると「今年出会う男性は本物だ」と書いてあり、更に「スピリチュアルな関係を築ける人」であると書いてあるではないか。

占いは当てにしない方だがこれはスピ師匠に間違いない。占いが当たる当たらないなんてどうでもいいが、この占術師は私を喜ばせる天才であった。

その数ヶ月後、友達の行くパワーストーンストアに連れて行ってもらった。

そこのオーナーさんはちょっとお見えになる方で、初対面の私に「心臓大丈夫?」と聞いてこられた。ちなみに私は22歳の頃に心臓の病気を患っている。

その方がスピ師匠が私にくれたパワーストーンを見てまたもや言うのだ。

「その人あなたの結婚相手よ」

・・・・これは間違いなかろう。占術師とヒーラーが言うのだ。

私は「そんな恋愛関係みたいなのじゃ全然ないですけどね~」と一応言ってみたが、その時の私の顔は有頂天のとんだ馬鹿面だったに違いない。

しかし、この有頂天の数ヶ月後、私はそのスピ師匠に振られることになるのだ。

一度目の告白は流され、ご飯に誘えば断られ、終いには女として見ていないのかと聞くと「そうだ!」と何とも軽い返事が返ってきたのだ。

私は告白前から何となくそういう結果になることを予感していたが、断られること怖さに本音を隠して連絡を取り続ける自分の事は好きになれないなと思い伝えた。

「よくやった!」と自分を慰め、前向きに数日間を過ごしたあと、急にどっと疲れが私を襲った。とにかくきつい。横になって昼寝をすればなぜかスピ師匠と付き合っている夢をみる・・・何だこの幸せそうな夢は・・・。

余計に疲れが溜まる。その時ふと忘れていた占術家やヒーラーの話を思いだした。

そして、「自分の感情を全部だしてしまって大丈夫。今日は誰のせいにしてもいいよ」と自分にOKをだした。

そして「聞いてもないのに勝手に期待させてんじゃねーよ!!!!!」

と大きな声で叫んでみっともなく泣いた。

感情を全てだしてしまえば、後は妙にスッキリしてポジティブになるもんである。

まぁ楽しめた時期もあるからいいか!と古本屋で購入したさくらももこ先生の本を読んで大笑いできる私はやっぱり幸せなんだと思う。

私にとっての占いはその時の楽しみを味わうことと、自分の心を後押しするためにあるんだと再度確信した。